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- 網膜・黄斑疾患(硝子体手術)
日帰り硝子体手術
網膜剥離、糖尿病網膜症、黄斑上膜、黄斑円孔、網膜静脈閉塞症の黄斑浮腫といった眼球内の病気治療のための手術です。手術では、眼球内部にある、透明でゲル状の硝子体を取り除きます。
硝子体手術では、白目に3ヶ所、0.4mm~0.5mmというごく小さな穴をあけます。それぞれの穴は、硝子体を吸引する硝子体カッター、内部を照らす眼内照明ファイバー、そして灌流液または灌流ガス注入に用います。なお、この手術は様々な疾患に対して行われますので、疾患ごとに手順や内容が異なってきます。
硝子体手術が必要な網膜・黄斑疾患について
糖尿病網膜症
糖尿病網膜症は、糖尿病によって網膜の毛細血管の血流が悪くなって詰まり、網膜に十分な酸素や栄養を送ることができなくなる病気です。糖尿病網膜症では、もろい新生血管ができたり、眼底出血が起こるほか、増殖性の網膜剥離を引き起こす可能性があります。初期段階では血糖値コントロールとレーザーによる治療が有効ですが、症状が悪化した場合には硝子体手術が必要です。糖尿病網膜症は、初期症状に気付かず進行するケースが多く、重症化すると失明の危険性もあります。そこで、糖尿病の診断を受けた方は、定期的な眼科の検査や診察を受ける必要があります。
黄斑上膜
網膜の中心部分である黄斑部に膜ができる病気で、網膜前膜、黄斑前膜とも呼ばれています。加齢、や網膜剥離の影響などが主な原因です。物が大きく見える、歪んで見える、視力が低下するといった症状があります。症状が強くなったら硝子体手術が必要になります。
黄斑円孔
黄斑部という網膜の中心部分の中心窩(ちゅうしんか)に穴が開いてしまう病気が黄斑円孔です。加齢により硝子体が収縮を起こし、黄斑部を引っ張ることで発症します。中心窩を含む黄斑部は、物を見るのに重要な役割を果たしています。そこで、ここに穴が開いてしまうと、視力低下や、物の中心がすぼんで見える、歪んで見えるといった症状が現れます。黄斑円孔の治療には硝子体手術が必要です。
網膜静脈閉塞症の黄斑浮腫
網膜静脈閉塞症は、網膜にある静脈が詰まってしまう病気です。加齢以外に高血圧が原因で発症することがあります。眼底出血や黄斑浮腫(おうはんふしゅ)による視力低下という症状があります。抗VEGF薬の注射、レーザー光凝固術、硝子体手術といった治療方法があります。
網膜剥離
眼球内の硝子体が加齢とともに収縮して網膜を引っ張り、網膜裂孔という小さな裂け目ができることがあります。この避け目から水が入って網膜が剥がれてしまうのが網膜剥離です。 症状には、飛蚊症(ひぶんしょう)、光視症(こうししょう)、視野欠損(しやけっそん)、視力低下があります。放置すれば失明に至るため、早めの治療が必要です。治療は手術による方法で強膜内陥術(バックリング手術)や硝子体手術を用います。
手術の費用
硝子体手術は健康保険が適用されます。
1割負担の方 約40,000円(片目)
2割負担の方 約80,000円(片目)
3割負担の方 約120,000円(片目)
※手術内容は患者様の症状によって異なりますので、この費用は目安です。
高齢者(70歳以上)の方の自己負担上限について
患者様ごとの医療費を合算した上限です。超過分は各患者様が申請することで償還されます。
高齢者(70歳以上) | 負担 | 自己負担上限 |
---|---|---|
<高齢者> 夫婦世帯で年収520万円以上、 単身世帯で年収383万円以上 |
3割 | 44,400円/月 |
<一般> | 1割 | 12,000円/月 |
<住民税非課税者> | 1割 | 8,000円/月 |
手術後の生活・療養
手術後は、自宅療養となりますが、その際、点眼薬・内服薬の量や回数をしっかりと守る必要があります。眼にゴロゴロする違和感がありますが、これは数日で改善します。日常生活を送る上では問題がなく、目を使っていただいても大丈夫です。ただし、手術後は色調やまぶしさなどの見え方に違和感がある場合もあります。なお、手術を受けたとしても視力が回復するまでには時間がかかります。お仕事をされている場合は、手術のスケジュールを決める際に仕事内容を医師に伝え、仕事を再開するタイミングを相談してください。
また、手術で眼球内にガスを注入した場合、手術後の安静と共に、ご自宅でもうつぶせの姿勢をとっていただいています。